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倉本聰の脚本の書き方がわかる?『やすらぎの刻〜道』

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1年放送する予定という『やすらぎの刻〜道』がいよいよはじまった。

 

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やすらぎの郷』のときは、ちらっと観たことはあったけど、最初から観ていなかったせいで話についていけず、ちゃんと見届けることができず……。

なので、こちらは初回から観てみた。

 

テレビで活躍した人専用の老人ホーム「やすらぎの郷 La Strada」に入居する菊村栄(石坂浩二)が書いていた「道」というシナリオが映像化されることになり、それ自体が『やすらぎの刻〜道』の中で本編さながらに流れる……というのが全体的なストーリーだ。

 

さっそく、初回、2回目と観たところ、当然1年かけて放送されるものだから、まだまだ栄の書く「道」の話は出てこず。

 

ただ、その前提となるだろうと思われるストーリーが語られる。

それは、10年前に終戦記念日のスペシャルドラマとして放送予定で脚本執筆、キャスティングまでいったのにボツになった「機の音」という作品。

 

その内容は、そもそもお嬢(浅丘ルリ子)が語ってくれた、満州開拓団として戦時中、満州へ渡り、終戦を迎えて過酷な運命を辿った姉妹の人生をモチーフにしたもの。

 

そのエピソードをお嬢から聞いて、書きたい衝動に駆られた栄は意欲的に取り組む。

 

そこで出てきたのがシナリオ制作のシーン。

 

以前、このドラマの脚本を担当している倉本聰さんが、登場人物のプロフィールを細かく作って(本編に出てくることがないものも含めて!)脚本を作っていると聞いたことがあったけど、栄を通して、まさしくその脚本作りの過程を見せてくれた。

 

多少、脚色もあるのかもしれないけど、ざっと登場人物の生まれた場所と年齢を決めてから、その人が歩んできた時代背景を調べ、そしてどうやって育てられ、何を経験してきたかを詰めていく。

自作の巻物型の年表が出てきたときはビックリした。これこそ脚色の可能性はあるけど、倉本先生もこういうものを作ってそうな気がする。

 

そんなドラマ制作の舞台裏が見られるのも、『やすらぎの刻〜道』の魅力なのかもしれない。

 

ちなみに、初回、2回目と石坂浩二さんのナレーション(モノローグ)シーンが多く感じたものだから、ついつい『渡る世間は鬼ばかり』を観ているような感覚になってしまった……。