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空気なんて読まなくていい!澱んだ空気の浄化の仕方がわかる?『凪のお暇』

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原作未読な上、「全部捨てたあとのその次って何があるんだろう?」と想像できなくて、実はそんなに期待していなかったドラマ『凪のお暇』を見てみたら、結構おもしろくて。

 

自己主張すると嫌われてしまうのでは……そんな恐怖から、空気を読みまくり、会社の同僚のキラキラ女子からはマウンティングされても我慢している凪(黒木華)。

社内のイケてる営業男子の慎二(高橋一生)と付き合っていることが唯一、彼女たちからのマウンティングをはねのけられるカードだと思って心の拠り所にしていた。

しかし、「節約とか趣味な貧乏くさい女は大嫌い。会っているのはあっちが合っているだけ」と明らかに自分の悪口を会社の同僚に言っているのを偶然聞いてしまい、凪は会社を辞め、家を引き払い、持っているもの・人間関係をすべて捨てて、「お暇」をもらうことを決意する。

 

原作のイラストの印象から、女子からのマウンティングとか、彼氏の横暴さとかもっとマイルドに描くのかと思ったら、結構きつくて。

 

キラキラ女子は凪の服装を「女子アナっぽいよね〜」と褒めているように見せてけなしているし、調子よく凪に仕事を押し付ける。

彼氏の慎二は、凪が辞めたあとに彼女の部署に行って、キラキラ女子たちと会話していたときに凪のことを「そんな子いたっけ?」とけなす。

しかも、エスケープ後の天パーの凪に髪型が変とかブスと言い放ち、変わりたいと言う凪に「お前は絶対変われない」と断言する。

 

こんな人がまわりにいたらそりゃ、逃亡するよ……。

 

でも何もかも捨てた凪には、「変わりたい」という願望に見合った価値ある出会いがちゃんと用意されているんですよね。

 

自販機のお釣りを拾うし、パン屋からタダでパンの耳をもらってくるし、近所からは疎まれている真上の階に住んでるおばあさん・緑(三田佳子)は、あるきっかけで凪とのご縁ができるのだけど、「部屋の中が荒んでたらどうしよう……」なんて思いきや、大好きな映画を快適に鑑賞できるようホームシアターばりの空間になっていて。しかも、もらってきたパンの耳は映画鑑賞のお供にするため、チョコがけにしたおやつにして食しているという工夫っぷり。

 

最初は凪のことを睨んでいたお隣の小学生・うららは、嫌いで睨んでいたわけでなくて、凪のフワッフワの天パーをただ触りたいと思っていただけだとわかったり、近所の激安八百屋で値段を打ち間違えられていて、客も混んでるし、店員もイライラしてそうだし、また空気を読んでスルーしようかと思うも、それじゃあ、なにも変わってないと思って勇気を振り絞って凪が声をかけると、「ごめんなさい!」と店員に平謝りされた上に近くにいたお客のおばちゃんも「許してあげてねー」なんて言って野菜をくれたり。

 

凪が今まで消極的だったせいで何も見られなかった優しい世界が広がってくる。

 

緑さんみたいに自分の好きな世界を作って、快適に過ごすこと、気になったことは相手に伝えること。そうすれば、そこに心地いい空気が流れる。

 

1話だけでも澱んだ空気をどうクリアにしていくのか教えてくれた『凪のお暇』。

 

ただ、あんなに悪態ついてたのに凪のことが諦められなくてしつこそうな慎二と、ゆるふわ系のお隣さん・ゴン(中村倫也)との関係と、まだまだ自分を変えることをはじめたばかりの凪がこれからどう変化していくのかが気になる。

 

ちなみに、ドラマを見たあと慌てて原作1巻を読んだけど、坂本さん(市川実日子)の登場でまた凪にひと波乱ありそう?

2話が楽しみ。

 

原作はこちら

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凪のお暇 1 (A.L.C. DX)

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