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山崎紘菜、笠松将が出てたドラマ『平成物語~なんでもない、けれどかけがえのない瞬間~』がとってもおもしろかったという話

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この間、5夜連続でやっていたドラマ『平成物語~なんでもない、けれどかけがえのない瞬間~』を視聴。

 

前の記事はこちら

 

なんてことない若い夫婦の出会いから結婚生活までを描いた物語。

 

といえば、とても簡単だけど、この物語のおもしろいところは、結婚生活から出会いまで遡って物語を描いていく点。

 

ペットショップで働く芽生(山崎紘菜)は小説家の夫・貴大(笠松将)とささやかな日々を送ることに何の不満も持っていなかったけど、しいてあげるとしたら、結婚したのに指輪をもらってなかったことが不満だった。

 

思い切って打ち明けたところ指輪を買いに行くことになって、しかもオーダー。

時はもうすぐ「平成」が終わるところで、平成のうちにできれば指輪を手に入れたいと思っていた芽生。

 

しかし、平成の終わりとともに、予想もしないことが芽生に降りかかり、貴大と結婚することになった出来事、同棲し始めたけど、親友・凛(清水くるみ)がどうも貴大に気があるとわかったあの日、貴大が書いた小説が初めて賞をとったと報告してくれたとき、そして、貴大と付き合うことになったきっかけを思い出していく。

 

時系列でいうと新しい順に1話、1話、芽生と貴大の2人の物語が紡がれていく。

 

初回で投げかけられた、2人にしかわからない出来事が回を追うごとに解き明かされるので、話が進めば進むほど、この2人の世界観に納得がいく。

そして不思議なのが、彼女たちの関係は先に進むのではなく、遡っているから、2人の関係性の深いところから浅いところを見ているはずなのに、彼女たちへの愛着が増すところ。

そこがこのドラマのおもしろいところだと思う。

 

あと、男女ともにパワーバランスは中立を保とうとするけど、昔の彼女に嫉妬したり、不満を持つ彼女とどうにかうまく付き合いたくていろいろ手をつくしたり……なんていう、2人のバランスが崩れかかる瞬間や、毒親の災難だったり、「平成」というお題があるからか、この時代を生きているカップルらしい雰囲気がうまーく出ていたのも興味深かった。

 

そして、説明が全然ないのもいい。

よく芽生はお墓参りに行っているんだけど、それについて最後までエクスキューズがまったくない。

だからあくまで想像するしかないんだけど(おそらくそのヒントになるのが最終話の5話で語られる)、そうやって汲み取っていくことで、芽生と貴大のストーリーをより深く噛み締められる。

 

それに、主人公と山崎紘菜と笠松将の距離感が絶妙だったのよね。

長年付き合っているカップルの距離感も、付き合ってちょっと経ってるけど初々しい感じとかも、まだ付き合う前のぎこちない感じとかも。

ちなみに個人的にお気に入りのシーンは、2人がデートしてて、「あっちの店行こう」と貴大が腕を引っ張ったら、芽生の肩にぶつかっちゃって、貴大がその肩をなでてたところ(4話参照)。ここ、絶対アドリブだと思うけど、かわいいシーンだった!

やっぱり、前に「笠松将が気になる!」記事で書いた通り、彼は不良役以外の演技もうまかった!

 

単純に語ってしまうとありがちなラブストーリーかもしれないけど、カップル間に漂う機微がうまく醸し出せていて、話の構造もあえて時を遡る形式にしたからこそ、心に深く刺さる物語になっていたので、ぜひみんなに観てほしい。

 

ただ、あえて言わせてもらうと、これから「平成」の次の未来があるのだから、芽生と貴大の末路はあれでよかったのかな?……ということ。

でも、久々によくできたラブストーリーが観られたので幸せ。

 

ちなみに、 「FOD」で配信中みたいなので、気になった人はぜひ!

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