千葉雄大主演の『ちょいドラ』「尽くす女」に癒やされた
今年1月に放送された『ちょいドラ』を今更ながら視聴。
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30分の中に3話入っているので、1話は約10分程度の本当に“ちょいドラ”。
ストーリーは、宇宙でのミッション中に真っ黒な謎の物質に取り憑かれてしまった宇宙飛行士の女性の物語「ダークマターな女」、カウンセラーの元に相談に訪れた性同一性障害の男性を描く「尽くす女」、ピザ屋でやる気なくバイトしている男性の身に起こったある日の出来事を切り取った「斬る女」の3本。
たった10分で夢中になれたのは「尽くす女」
「ダークマターな女」と「斬る女」はコメディ調で、オチがうまくできているなという印象はあるけれど、主人公の気持ちをあれこれ想像して、ドラマの世界に浸れたのは「尽くす女」だった。
心理カウンセラーの女性(優香)のもとへ、性同一性障害の男性(千葉雄大)が親とともに訪れる。
話を聞くと、妻も子供もいるが、つい尽くしてしまうタイプゆえ、その自分の意志のなさに妻がうんざりして離婚したいと言い出した。けど、妻のせいで離婚になったのはかわいそうだから、自分が「性同一性障害」だとカミングアウトして、なんとか自分のせいで離婚に至ったとしたいと話す男性。
物語ではなぜカウンセラーのもとに訪れたのかは語られないけれど、おそらく、息子に離婚の話が出て、しかも息子自身が性同一性障害であることまでわかって親が連れてきたのだと想像がかきたてられる。
そこから、カウンセラーとビデオ通話でカウンセリングをしていくのだけど、回数を重ねるごとに「尽くす」ことではなくて、自分がやりたいことを考えていけるようになってくる。
そして、男性がようやく「この世の中、自分がやりたいことを言っていいんですね!」と気づいて、そしてカウンセラーも「そうなんです!」と彼の気持ちに寄り添ったシーンが印象的。
程度の差はあれ、このドラマのように自分をどこまで主張していいかわからないと悩んでしまう人もきっといるはず(私もそう)。
大げさなことでなくても、「言っても他人から否定されない!」、「自分がやりたいことを言っていいんだ」という自己肯定感がどうやって作られていくのか、短時間だけど、割としっかり描いている作品だと思う。
だからこそ、自分で自分を信じられないと思い込んでいる人や一時的に自信を喪失している人におすすめのドラマ。
しかもこの作品は映像が柔らかいし、観てるだけで自分がカウンセリングされているみたいに癒やされてよかったのよね。気になった人はぜひ。
※『ちょいドラ』は「U-NEXT」で観られます。ただ、会員登録していてもさらに「NHK特選」分の料金がさらにかかりますので、その点ご注意を。
『ちょいドラ』はU-NEXTにて2019/12/31まで配信中!