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『君の名は。』を分析してみました

僭越ながら『君の名は。』についてこんな記事を書かせていただきました。

filmaga.filmarks.com

 

作品について私なりにどうやって解釈すればいいのか分析してみた記事です。

きっと共感できる部分・できない部分あると思いますが、作品を深掘りするきっかけになれば幸いです。

 

ちなみに、書きたかったけど原稿にうまく入れられなかったことが2点。

ひとつは、三葉と父との距離が近づくことも描いているという話。もうひとつはどうして瀧が入れ替わりに選ばれたのかという話。

 

以下ネタバレも多少含まれるので、読みたくない人は読まないでください!

ヒロイン・三葉の父は、もともと三葉の母・二葉の家に入って家業(神社)を手伝っていたのですが、二葉が亡くなったことで、家を出て行ってしまいます。そのため、三葉たち姉妹とは別居中。三葉は祖母・一葉と暮らしています。

父が町長であることで、まわりから冷たい目で見られたり、父が出ていった理由(神社の伝統に寄り過ぎた慣習や婿なこともあり家に居づらい、もっと権力ある仕事に就きたいなど……)もなんとなくわかるだけに、距離を置いている三葉。

でもどうしてもどうしても成し遂げたいことができたので、ようやく父に歩み寄った三葉が描かれています。

君の名は。』は、離れていた距離が近づく話でもあるので、その三葉と父の関係の近づき方もさり気ないけどうまく描かれていると感じたところです。

 

あとは、どうして入れ替わった相手が瀧だったか。

三葉は慣習に基づいた家業の手伝い(巫女になって儀式を執り行ったりしています)や父の町長再選のための選挙運動のせいで余計学校で後ろ指をさされがちになり肩身の狭い思いをしなければならない……といった狭いコミュニティの中で自分が置かれた環境がどうしても嫌で「東京のイケメンになりたい!」と叫ぶシーンがあります。

ではなぜ瀧が選ばれたのか……という点は明確には描かれていないので、あくまでも私の勝手な想像ですが、瀧は瀧で東京の生活に飽きていたんではないかなと。

友達、カフェめぐり、バイト、憧れの先輩。一見何でも揃っているように見えるけれど、なんだか刺激が足りない。

具体的なシーンはなかったのですが、三葉と入れ替わる前の日にどうやら瀧はバイト中に誰かとケンカしたようで、顔に傷をつけているんです。

しかも三葉が瀧になって初めてバイトした日に、憧れの先輩・奥寺ミキから「ケンカっ早い」といった言葉をかけられています。

ということはやっぱり日常に何か苛立っているというかそんな思いも抱えている気がするんです。

また中盤に三葉がいた地のスケッチをするシーンがあり、建築に関心があるという発言もしている瀧。都会とはまた違う風景を見てみたいという欲が無意識にあったんじゃないかなとも考えられます。

そこで、都会に行きたい三葉、田舎を見てみたい瀧が呼応しあったんじゃないかと……。

 

あくまで私の勝手に深読みした説です。

なので、上記のリンク記事も含めて、制作している方に聞いてみたら「全然違うよ!」と叱られてしまう解釈かもしれませんが……。

俺たちに明日はある

SMAP解散報道もやや落ち着いた中、昔録画したDVDの整理をしていたら、2014年の27時間テレビ内で放映された「俺たちに明日はある」というドラマが出てきた。

内容は「SMAP解散」という噂が流れてそれをめぐりSMAPメンバーはどう思っているのか……実際にメンバーを追っかけたり、インタビューしたり、ドキュメンタリー風なドラマの展開を通して彼らの本音に迫るというもの。

先に言ってしまうと、スマスマの番組枠がほしかった明石家さんまが解散の噂を流して、SMAPに責められるというのがオチです。

当時は都市伝説のように語られていたSMAP解散ですが、解散が決まった今見ると予言していたんじゃないかというくらいリアル。

冒頭、SMAP解散にまつわるつぶやきや掲示板の書き込みが数々映し出されるのですが「年内解散」とか「独立」という文字が躍り、検索ランキングのような画面には「SMAP 解散」といった単語が並ぶ。

スマスマの収録後らしい映像が映るのだけど、なんだかメンバーがよそよそしく見える(演出なのかもしれないし、そもそも昔からそういう雰囲気なのかもしれないけど)。

解散について聞かれて言葉を濁すメンバーがいたり、27時間テレビの打ち合わせ中に「こんな状況じゃ……」というメンバーがいたり。

とはいえ、ドラマでは解散しないことをファンの前で報告し、「俺たちに明日はある」を披露。

しかも、SMAPについてどう思っているのかメンバー各々に聞くインタビューシーンではそれぞれグループ愛を語っていて……。

こういったシーンを見ると「年末のスマスマで『俺たちに明日はある』を歌って『実は解散はウソでした!』なんて言ったりして!」「もしかしてドラマを再現した壮大なドッキリだったり⁉︎」なんて考えてしまうけれど、現実はそんな甘くドラマチックな展開あるはずがない。

ほんの5年くらい前までは「笑っていいとも」最終回も「こちら葛飾区亀有公園前派出所」最終回も都市伝説中の都市伝説だと思っていたけど、その終わりは見えてしまった。

それらと同じように永遠なんてあるわけがないというのをとても実感した出来事でした。

そう考えると『徹子の部屋』も……。

今は考えたくない!

 

俺たちに明日はある

俺たちに明日はある

 

 

【9/7追記】

まさかの『シュート』(SMAPメンバー総出演の青春映画)のDVDが出てた!

 

あの頃映画 「シュート」 [DVD]

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HEROとHERO

 今更というかこのタイミングというか。

『HERO』(2007年)と『HERO』(2015年)の2本を見てみました。

 

HERO スタンダード・エディション [DVD]

HERO スタンダード・エディション [DVD]

 

映画『HERO』公式サイト

 

2007年版は、会社員が暴行により殺された事件の裁判のため調査を進めていったら、それが大物政治家・花岡の汚職事件にもつながっていて……。そのせいで暴行殺人の被疑者には花岡がよこしたやり手弁護士・蒲生が担当することになり、事件の裁判が大混乱。そんな危機を久利生がどうやって打開していくのかが見もののストーリー。

 

2015年版は、ネウストリア公国大使館そばで交通事故で亡くなったコンパニオンの女性の事件を調べていくうちに、ネウストリア公国の大使館職員がある犯罪に手を染めていることが発覚。またこの亡くなったコンパニオンの女性というのは元々暴力団絡みの事件の証人になっており、この事件を担当していたのが検事になった雨宮。そのため久利生と雨宮が城西支部で再会!しかし交通事故の調査を進めるにはどうしても大使館の中に入らないことにはわからない。しかも大使館に入ること自体が国境を越えることになるため許可が必要だけれど外務省欧州局長の松葉などの邪魔が入りなかなか前に進まない。久利生&雨宮のタッグがどうそれを乗り越えるのかが見どころ。

 

比較してみるとどちらも共通しているのが、とある事件から巨大な組織の犯罪につながっているということ。

そして最初は面倒くさがってた城西支部の仲間たちも久利生の諦めない姿にやられ協力し、行く手を阻むもの(松本幸四郎演じる蒲生や佐藤浩市演じる松葉)を突破していく……という流れ。

事件が厄介なところとそれを解決していく過程が緩急あって面白いし、出てくるキャラがみんな濃いのもこの物語に惹きつけられる部分なんだと思います。

 

個人的には、そのバランスがうまく取れているのは2007年版のほうな気がするけど、雨宮の存在感が『HERO』を象徴しているのだと改めて気付かされたのは2015年版。

 

『HERO』テレビ版の2014年放送分からは久利生の事務官は麻木に代わり、これはこれで面白い掛け合いが見られたのだけど、どうもなんか物足りない……と思っていたものが2015年の映画『HERO』でようやくその原因がわかった感じです。

 

久利生が通販好きだったり、調査のためのお出かけが多かったり、検察官としては破天荒なのに人柄がいまいち掴めないというキャラクターを支えていたのがお節介で強気で真面目でお堅い雨宮。

 

麻木が出てきたときは、久利生のキャラクターを支えるというよりは、2人でようやくひとつの世界観が成立していたような、そんな印象だったんです。でも、それはそれで2007年の映画からも年月が経っていたので気にならなかったんですが。

 

でも2015年の映画で久々に雨宮を見たら、「そうだ!  そうだ!  『HERO』って雨宮がいてこその『HERO』だったんだ!」と、2007年以来の空気感を思い出しました。

 

久利生はブレないというか、どんな逆境に遭遇しても絶対に成長がないんですよね。むしろ久利生がいて周りが成長していくことに受け手は共感したり、感動するように出来てる。

 

その中でも雨宮の変化が久利生を引き立たせる役回りでもあるし、変化が大きい分雨宮のほうにばかり感情移入してしまいがちだったから、存在感が大きかったんですね。

 

まさかもう続編はないと思うので最後に検事になった雨宮が見られてよかった。そして、なんとなく久利生と雨宮の間に気持ちがつながっているような描写があってよかった。

 

「HERO」映画版 オリジナル・サウンドトラック

「HERO」映画版 オリジナル・サウンドトラック

 

 

「HERO」2015劇場版オリジナルサウンドトラック 音楽:服部?之

「HERO」2015劇場版オリジナルサウンドトラック 音楽:服部?之

 

『HERO』はサントラも結構好き。

 

 

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『君の名は。』を見る前に

新海誠監督作のまとめ記事書きました。

話題の新鋭アニメ映画監督・新海誠が手がけた注目作品まとめ | FILMAGA(フィルマガ)

君の名は。』を見る前によかったら読んでみてください。

 

今回、この記事書くにあたって監督作をほぼ見たけど、どれも奥が深い。

セカイ系とかでまとめたくない“世界観”が広がっていました。

どうやって感じたことを言葉化するのかかなり悩みましたが、何か私が感じたことが少しでも参考になれば幸いです。

 

ちなみに紹介してる作品はこの5作。

 

ほしのこえ

ほしのこえ

 

 

雲のむこう、約束の場所
 

 

秒速5センチメートル

秒速5センチメートル

 

 

星を追う子ども

星を追う子ども

 

 

言の葉の庭

言の葉の庭

 

 

シン・ゴジラとエヴァと踊る大捜査線と

※多少のネタバレも含まれていますので、ご了承くださいませ。

 

シン・ゴジラ』を見て、印象的だったのはこの曲。

 


Neon Genesis Evangelion - Decisive Battle (Experimental Loop)

 

NEON GENESIS EVANGELION

NEON GENESIS EVANGELION

 

 

出演者もエヴァを想像するようなものがありますよということはメディアで言っていましたが、こんなにもエヴァ色強いものがあるとは思いませんでした。

しかも「ヤシマ作戦」を想起させるような流れでかかることの多かったサウンドだったので、なおさらエヴァの空気を濃く感じた気がします。

ただ私はエヴァだけじゃなく、もうひとつよぎったものが……。

それが『踊る大捜査線』。

というのも

テレビシリーズでBGMとして、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の戦闘シーン「DECISIVE BATTLE」「Spending Time in Preparation」のアレンジを使用している。番組の音響担当者がエヴァ製作者に了解を得て製作した。(DVD「踊る大捜査線1」より)

踊る大捜査線 - Wikipedia

ここにある通り、『踊る大捜査線』もエヴァのBGMを使っていたから。

※『踊る〜』では「危機一髪」というタイトルで収録。

踊る大捜査線 オリジナル・サウンドトラック2

踊る大捜査線 オリジナル・サウンドトラック2

 

このサウンドは、『躍る〜』では会議室で捜査の作戦を立てている場面でかっていたことが多かった気が。

そして『シン・ゴジラ』でも同じような場面であのBGMが流れていました。

ちなみに『躍る〜』のDVD1巻の中にはこのようなコメントがあります。

この印象的なBGMはアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の劇中曲の転用。ビデオ化の際、曲の差し替えが検討されたが、『エヴァ』の庵野秀明監督が『踊る』の大ファンであったことから使用許可が下りた。

(『踊る大捜査線』DVD1 解説付再生より)

 

庵野監督が『躍る〜』のファンだったことを考えると、特に会議シーンは『踊る大捜査線』を逆輸入的にオマージュしているようにも感じられるのです。

しかも、トップダウン型の組織体制を皮肉に描いている部分があるところも、『踊る〜』に共通している部分のようにも思えます。

まさか『シン・ゴジラ』から『躍る〜』を思い出すとは思いませんでしたが、そんな要素もあると思って見たり、見返してみたら作品をより味わえる気がします。