テレビゲームを再現したようなループを繰り返す『オール・ユー・ニード・イズ・キル』
以前、読んだ
ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2 (講談社現代新書)
- 作者: 東浩紀
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/03/16
- メディア: 新書
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この本で紹介していた『オール・ユー・ニード・イズ・キル』の映画版を視聴。
桜坂洋によるラノベが原作。
All You Need Is Kill (スーパーダッシュ文庫)
- 作者: 桜坂洋,安倍吉俊
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2004/12/18
- メディア: 文庫
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ギタイと呼ばれる宇宙人に侵略されそうになり、戦場と化した地球。そこで主人公のケイジ(トム・クルーズ)は、あるギタイを殺したあと自分も死んだはずなのに、出撃前に戻って目が覚める。
出撃し、何度殺されてもまた出撃前に戻ることで、自分がタイムリープしていることに気づくケイジ。
あることから、戦線で活躍している女性兵士リタ・ヴラタスキ(エミリー・ブラント)らの協力があり、このループ現象を利用してギタイの核となる個体を倒そうとするが……。
原作未読なので、映画でみたことしか言えないけれど、このループ、映像でみると、何度も同じシーンではじまり、何度も見覚えあるシーンが繰り返される。
「なんだかこういうのみたことあるな」
と思っていたら、テレビゲームのセーブポイントからの再スタートによく似ている。
(もしかしたら、冒頭紹介した本に同じようなことが書いてあったからそう言っているのかも……。今手元に原本ないで不確かですみません……)
敵がどう動くか熟知し、どの選択肢を選べば失敗してしまうのかをケイジが理解していることがわかるシーンやセリフが出てくるし、あたかも何度もゲームをやり込んでいる人のような描かれ方である。
映画のような要素を盛り込むゲームはたくさんあるけど、その逆、テレビゲームでよくあるパターンを盛り込む珍しい例の作品だと思ったし、時間をここまで操る物語とそういう物語ができるのかととても興味深くみることができた。
論理的な折り合いをつけるのが難しくなってくるだろうからこういうループの話が今後増えるとは思わないけど、ゲームでよくみる要素を取り入れたドラマ、映画はこれから増えてくるかもなぁ、と感じた。