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今と昔のドラマがわかるドラマ好きのためのレビューブログ

ドラマであり小説でもあった『大恋愛』

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『大恋愛』最終回。

 

ときどきお互いの思い違いやライバルやら嫉妬?やらで邪魔されたこともあったけど、ひさびさにストレートでスタンダードな恋愛ドラマをみた。

最後はああいう結果だったけど、それはそれで清々しい終わり方だった。

 

そして最後の最後。

真司(ムロツヨシ)と尚(戸田恵梨香)の物語は真司が「大恋愛」という小説を書いたということがわかって終わった。

 

思えば1話で真司がナレーションする

「彼女はあの頃から、いつも急いでいた。まるで何かに追われるように、いつもいつも走っていた」

は、真司の小説「脳みそとアップルパイ」の冒頭の文だった。

 

尚がアルツハイマー病と診断された日に2人で行った居酒屋で尚が真司に言った

「ごめんね。面倒な病気になっちゃって」

というセリフも、真司が書いた小説の文書として、最終回で出てくる。

 

ドラマの劇中劇として小説が登場しているけれど、その小説自体がドラマが紡いできた物語を描いているという実はひとひねりある構造。

 

小説として落とし込まれた2人のラブストーリーを読み上げることで、恋愛シーンをフラッシュバックさせて、感動を呼び込むというのも非常におもしろい手法だと思った。

 

スタンダードな物語の流れの中にあえてドラマと小説をリンクさせていたのが斬新だなと感じた。

 

しかもそれが白々しくないのが、間宮真司の小説を天才だと尚が認めていて、みているこちら側もそう思っていたし、彼が小説を書くこと自体を特別な行為だと感じていなかったから。

 

すべてにおいて素晴らしい出来。何度でも見直したいドラマかも。

 

間髪入れずに始まる、同じく大石静さん脚本の『家売るオンナの逆襲』が俄然楽しみになった。

 

大恋愛~僕を忘れる君と(上) (扶桑社文庫)

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大恋愛~僕を忘れる君と(下) (扶桑社文庫)

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