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安野モヨコと庵野秀明監督の深い夫婦の愛情を描いている『監督不行届』

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『シン・ゴジラ』の影響なのか久々に『監督不行届』を読み返してみた。

 

 『監督不行届』は、庵野監督の奥さん・安野モヨコが結婚生活を描いたエッセイコミック。

発売されたのが約10年前なので、オチビサンもエヴァ新劇場版も生まれてなかった頃の話。

発売されてすぐに買ったので私が初めて読んだのも約10年前になる。

 

当時は、

「庵野監督ってこんな人だったんだ!」

とか

「夫婦ってこういう関係性を築いていくもんなんだなー」

というくらいとてもとてもライトにしか読み込めてなくて。

 

それから何度か読み返しているのに、まだまだ自分が未熟だったせいで上辺しか汲み取れておらず、巻末の庵野監督のインタビューにあった「(妻を)守りたい」という言葉にただ憧れているだけ。

 

でも、久々に読み返してみてようやく感じたのは、夫婦の深い愛情だった。

 

つい男女の愛というと恋に近い、そこにいるだけで心が熱くなってくるようなイメージで、例えて言うなら「昼ドラ」にあるような離れたくても離れられないお互い共にいると冷静になれないというような情熱的な感情を思い浮かべていた。

でも、本当の意味での男女の深い愛情というのはとても静かで二人の間に折れない一本の軸がすーっと入っているようなもの。

それがきちんと作品に詰まっているのをようやく感じとることができた。

 

私はそれまで一体何を見てきたのか……(大汗)。

 

ちなみに、庵野監督のインタビューでこんな発言が。

嫁さんのマンガのすごいところは、マンガを現実から避難場所にしてないないとこなんですよ。(略)現実に対処して他人の中で生きていくためのマンガなんです。

確かにそうなのかも。

 

買って10年経つけど、もうそのときに買った本はほとんど手放しているはずなのにこの本は残っている。

浅くしか読めていなかったけど(笑)、実際に何度も読み返しているし、どこか胸に刺さるもの、庵野監督が言う「現実に対処して他人の中に生きていくため」のメッセージをどこかで感じていて、手放せなかったのかも。

 

そういえばこの引用箇所の部分を読んで感じたのは、エヴァの新劇場版はその「現実に対処して他人の中に生きていくため」の作品を実現したくて作っているのではないかということ。

実際のところわからないけれど、そう思ってエヴァ新劇場版を見返すとまた違ったおもしろさが見つかりそう。

 

少し話がそれたが、さらに時間が経って再び読むと、今とはまた違う感想を持つ気がする『監督不行届』。かなり奥が深いマンガなのかも。まだまだ手放せない!

 

ちなみにマンガ本編で好きだったシーンは、ロンパースが風邪をひいてカントクが看病してくれる回と西田健さんに会う回。あとジャック(飼い猫)が来た回も!