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今と昔のドラマがわかるドラマ好きのためのレビューブログ

四三(中村勘九郎)がプレッシャーで「押し花」するって何!?『いだてん』11話

『いだてん』11話。

 

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ついにストックホルムオリンピックが開幕し、三島(生田斗真)の出場が迫る。

 

前回、環境の変化と注目されない、外国人より遅い自分に焦って発狂した三島だったが、四三(中村勘九郎)になだめられてなんとか持ち直した。

はずだったけど、やっぱり競技直前でプレッシャーに押しつぶされそうになる。

 

しかし、大森(竹野内豊)から、「敵はタイム。周りの選手たちは同じ敵へ立ち向かう仲間だ」と言われてようやく、プレッシャーに打ち勝ち、いらないプライドを捨てて、ようやく競技を楽しめた三島。

 

一方、出番が近づくにつれ、落ち着かなくなる四三。

一皮向けた三島から、ただ何も考えず走ればいいと言われるも、長距離と短距離は違うと怒ってしまう。

ただ、四三が言う「モヤモヤしたもの」を「それはプレッシャーで、誰もが感じるもの」と三島から教えられたことで、なんとか持ち直す。

 

そしていよいよ、「太陽がいっぱい」なほど暑いストックホルムのマラソンがはじまる。

史実を調べればわかるけど、ついに四三の身にとんでもないこと(ストックホルムで金栗四三が有名な理由がわかる事件)が起きるのだが……。来週はそこまで描くのかな?

 

さて、しばらく存在感が薄かった孝蔵(森山未來)に進展が。ついに高座に上がることが決まり、そわそわ。ついうっかり酒を飲んでしまう。

一方、四三は自分の出番が近づくにつれ、そわそわ。落ち着かせるために押し花をしてしまう。

この2人の「本番直前」の様子を対比して描いているところが今回の笑いどころかな。しかも押し花って……。

 

そういえば、前回、マラソンの練習中に花を眺めて四三が浸ってたシーンがあったけど、あれ、今回の「押し花」の伏線だったのかも。

 

あと、サブタイトルの「百年の孤独」は、日本が大会で他国から孤立しているところを表しているのかな?と最初思っていた。

でも三島が最後の競技を終えたあと、「日本人に短距離は無理です。100年かかっても」と言ったところが、かかっていたよう。

確かに、ストックホルム五輪が開催された1912年から考えると大体100年くらいかかってようやく日本の短距離がメダルを取れるレベルになっているから、そういう意味では現実にも「百年の孤独」だったのかも。

 

余談だけど、前回と今回の間に、現実である重大事件が起きたから、正直、11話はいつものような純粋にワクワクした気持ちでドラマを待ちわびることができなかった。

でもドラマを観て、四三と孝蔵の対比、細かい伏線、サブタイトルと物語のリンクとか、いつもの宮藤官九郎脚本のノリはそのままだったから、元気出た。

 

なかったことには出来ないし、代役の人が出るたび思い出すんだろうけど、今年の日曜はクドカン節に浸れることをこれからも楽しみにしてる。

 

癒し系飯テロ作品だと思った『きのう何食べた?』

ずっと気になってはいたけど、ドラマ化するというので、遅ればせながら『きのう何食べた?』1巻を読んでみた。

 

 

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主人公は、弁護士のシロさんと美容師のケンジ。

ゲイカップルだから遭遇してしまう困りごとにぶつかりつつも、シロさんが作るご飯を中心に、ささやかな2人の日常を描いていく癒し系の作品。

 

とにかく2人のキャラがいい!

 

シロさんは弁護士だけど、お金儲けをしたいわけではないから、定時(18時)に帰れて、簡単ですぐ終わる案件さえできればいいというスタンス。

……なんだけど、やたらと知人経由で案件を依頼され、クールだけど、なんだかんだお人好しなので受けてしまう。

そして金銭感覚はしっかりしていて(ケチともいう)、ハーゲンダッツはスーパーの割引価格で買いたい。その上、自分のスタイルはスリムのままキープしたいナルシスト&料理上手。だから、定時に帰ってめちゃくちゃ美味しそうでヘルシーな一汁三菜メニューを手早く作ってしまう。

 

そしてシロさんと一緒にその料理を食べるパートナーのケンジは、いい加減、自分でお店を持っていい年齢なのに、専門学校の同期が開いた美容院に長年勤めている。

そして、メンタルが強いようで、厄介な客にまったくめげない。

ゲイであることもオープンで、お客さんにまでシロさんがカッコよくて、料理上手で頼れる!なんてのろけ話をしてしまうほど。

そしてシロさんの友達やクライアントが男だと、シロさんがその人のことが好みだったかどうか聞くほど嫉妬深い。

 

そんな2人が織りなすストーリーは、確かにゲイカップルならではのものもあるけど、だからといってそれを強調しているわけではないし、「一緒に暮らしていればそうなるよねー」という微笑ましいものばかり。

 

あと、どのエピソードもシロさんが料理を作って、食べるシーンが必ず入っているので、正直、飯テロ作品だと思う。

料理シーンやご飯がメインに出てくる漫画、ドラマが大好きなので、もうそれだけで私は満足。

ちなみに、作品の中で出てきたメニューのつくり方は、漫画の中でシロさんの料理シーンとして載ってるし、分量が掲載されてるメニューもあるので、再現しやすいのもまたうれしい(いつかはトライしたい)。

 

原作はそんな感じだったけど、ドラマはどうなるのか?

ただ、シロさん演じる西島秀俊さんもケンジ演じる内野聖陽さんも、サイトの画像を見る限り役にハマりすぎてるので、今から楽しみ!

 

ちなみに1巻を読んで一番印象深かった、シロさんと佳代子さんのエピソードはドラマでやるみたいなので、ワクワクしてる。

 

あと、ケンジの美容室の店長役をレキシさんがやるのでは?とにらんでいるんだけど、果たして……!

 

 

最終回の満足度が高すぎた『スキャンダル専門弁護士 Queen』

『スキャンダル専門弁護士 Queen』最終回

www.fujitv.co.jp

 

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最終回はおもしろかった。

 

まず前回。氷見(竹内結子)と政治家・吾妻(山本耕史)の不倫疑惑が週刊誌に載ってしまう。

 

そこでこの不倫疑惑の火消しをしようと吾妻が鈴木法律事務所に危機管理を依頼。

 

8話ででてきたクライアントを利用してまで、氷見が吾妻の政治がうまくいくように動いていると思っている与田(水川あさみ)は、不倫疑惑が出た途端、姿を消した氷見へ怒りをぶつけるように、氷見が世論で不利になるようさまざまなことを仕掛けていく。

 

そして最終回、彼女を公の場で追い詰めるため、5年前、吾妻の選挙の際、氷見が対抗馬のフェイクニュースを作り、吾妻に票が入るよう促したこと。そしてそのとき、あるシンクタンクにあった個人情報を利用したのだが、氷見が当時殺人容疑に問われた事件があり、そのとき亡くなった人物がそのシンクタンクの社員だったこと。

それを週刊誌に載せた上、公の場で彼女の真偽を問おうと、直接氷見を呼んで、吾妻や吾妻の政党の連中、マスコミなども入っている調査会が開かれることに。

 

そこでフェイクニュースの件でシンクタンクに連絡をとっていた氷見のメールの存在が明らかにされ、氷見は大ピンチに陥る。

 

しかし実はそれこそが氷見が5年前からずっと望んでいた逆襲撃だった!

 

初回から最終話までに氷見たちが扱ってきた個別案件の話も回によってはおもしろかったけど、氷見の本心(正義感)が見えなくて、本当に困っている女性たちは彼女に救われているのかな?って思っていた。

でも最後の最後は、氷見が仕掛けた本当に正義のための戦い!

だから今までのちょっと小さな戦いも、氷見にとっては正義ある戦いだったんだなと思って、ようやく納得した。

↓こんなこと言ってごめんなさい……。

 

 

 

そして、初回からちょいちょい描かれてきた氷見の怪しい言動はもちろん、レギュラーキャラクターも最終話のラスボス的な話を盛り上げるための伏線的要素だとわかって、「ちゃんと最後まで観ていた人にはご褒美がある(作品全体のおもしろさがわかる)」ドラマだったこともうれしかった。

 

これは1話からちゃんと見返すとさらにお得感増しそうなドラマかも。最後の最後で旨味がわかる連続ドラマがあることがわかって大変勉強になりました。

続編期待してる!

 

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【ネタバレあり】明るい未来にするには自己肯定感を持てるかどうかがキー?『ハケン占い師アタル』最終回

『ハケン占い師アタル』最終回。

 

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Dチームが「豪雨災害で学校をなくした子供たちの卒業式」というコンセプトで進めていた企業イベント。いいね、いいねといいながら結局、その主催企業の担当者が次々とめちゃくちゃな案を出してきて、コンセプトからずれてきてしまう。しかしそれを感じながらも乗り越えようとするDチーム。

 

そんな風に仕事でも難題にぶち当たっているのに、チームメンバーそれぞれが別のことで悩む羽目に。

いい雰囲気だった神田(志田未来)と目黒(間宮祥太朗)、上野(小澤征悦)と田端(野波麻帆)の間に不穏な空気が流れ、大崎(板谷由夏)は義母を自宅介護することになりそうで仕事をどうするか困り、品川(志尊淳)はいい企画が浮かばないと焦り、代々木(及川光博)は誘われてる友人の小さな広告代理店に移ろうか悩む。そして彼らの悩みは見えているけど、もう占いはしないと決めたためどうすることも出来ず葛藤するアタル(杉咲花)。

 

でも、卒業式イベントがトラブルで中止になりかけたとき、このイベントの主役である子供たちの本音が聞こえ、アタルは占いを使って中止にならないようアシストしてしまう。

 

おかげでイベントは成功したけれど、アタルはもう二度と使わないと決めていた占いによって成功させたことに罪悪感を感じていた。

でも占い自体がアタルの特技、何か特技があること自体、誰にとっても素晴らしいことだし、占いを禁止しなくていいんじゃないかとDチームに諭され、解禁。

 

そしてアタルがたどり着いたのが、一人ひとりが鬱々として仕事の効率も悪くなっている社会人を占って救っていく「ハケン占い師」を仕事として生きていくことだった。

 

アタル自身がなかなか肯定出来ずに持て余していた占いの能力を、派遣社員としてさまざまな出来事に遭遇したおかげで、最後の最後でようやく、自身で受け入れることができた(自己肯定感が生まれた)。

このことを考えると、最初、悩んでいるのはDチームのメンバーだけなのかなって思ったけど、実はアタル自身も働き方に悩んでいた人間の一人ってことだったのね。

 

物語は終盤で、そうやって占うことを肯定できるようになったアタルが、会社を辞める前にDチームのみんなの未来を占っていく。

大体が紆余曲折あっても明るい未来。

 

アタルみたいな人から占ってもらえば、未来がわかるわけだから悩むことに使う時間を削減できたり、嫉妬や葛藤に苦しんだりすることもないだろうな……と羨ましく感じる。

けど、Dチームの面々に明るい未来が見えたのは、アタルがそれぞれの長所を見つけて、自己肯定感を持てるようアシストはしたけれど、そこから先は各々、自分がワクワクできるように、そしてちょっとでも仕事の結果がよくなるように前向きに努力したから。

 

そう考えると占ってもらわなくても、自己肯定感を持つこと。そして、地道に一生懸命生きていけば、自ずと明るい未来が見えてくる気がする。

 

ちなみに、アタルの説教シーンは毎度毎度、刺さるものがあった。だから、何かにつまずいたときにまた見返してみようかな。

 

 

『水曜どうでしょう』の空気を感じる!『チャンネルはそのまま』1話

『チャンネルはそのまま』1話。

 

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Netflixで先行配信されていたので一足早く。

 

主人公は入社1年目の報道記者・雪丸花子(芳根京子)。

「バカ採用」で入ったという噂があるほど、何をやっても失敗ばかり。遅刻、忘れ物は当たり前。空気が読めない、いや読もうとしない、そして自分のペースに人を巻き込む。でも人にガミガミ言われようが、そのときは反省してもすぐにケロッとしている「デキない」新人。

 

だけど、彼女の超バッドプレイのおかげで、雪丸と同期の新人アナウンサー・花枝(宮下かな子)の才能が覚醒。

 

雪丸の不出来さに採用試験のときからイライラしていた山根(飯島寛騎)も花枝を目覚めさせた雪丸の妙な才能にちょっとだけ魅力を感じはじめた……かも?

 

ほかにも雪丸の破天荒言動が数多く登場するけれど、それにみんなイラッときつつも、刺激を受け、局全体がいい方向に向かいそうな兆しが。しかしそれがライバル局との関係に影響を与えそうで……。

 

ちなみに、だいぶ大人になってからわかったことけど、真面目な人ばかりが集団にいても実はダメで、こういう異分子がひとりいるだけで、それに刺激を受けて組織の雰囲気とか変わってくるよね。

 

そういうことを、漫画が原作だから多少オーバーに描かれているけど、「まさにそう!」と思えるお仕事論みたいなところはしっかり押さえているな、と思う。

 

あと、芳根さんの演技力が高いことがよくわかった。

よく、子供服作る人やって、海月オタクやって、華道のお嬢様やったかと思ったら、キスして肉体を交代して、そしてバカ(というよりアホ?)女。

こんなにたくさんのキャラを演じ分けられるとは。とにかくすごい!

 

そして、これはもう『水曜どうでしょう』観てた人は必見。

藤村さんがキーマンとしてガンガン出てくるし、『水曜どうでしょう』の「30時間テレビ」のときに見たかも(いや多分この企画以外にも出てると思うけどとっさに思いついたのがこれ)……って思ったところとか、オープニングとエンディングでおなじみの平岸高台公園も出てくる。

当然、TEAM NACSは総出演(1話ではまだ出てないメンバーいるけど)。鈴井さんも出てる!

そして、監督はなにかと出演陣と縁がある本広克行さん。

芳根さんもなんでキャスティングされていたのかな、と思ったら藤やんも出た『幕が上がる』に出てたからかも、と思ったら納得。

 

幕が上がる

幕が上がる

 

 

テレビ放送は、北海道テレビは3/18から。ほかは順次、地方局で放送されるみたいだけど、もし地元の局で放送されるようでしたらぜひ。それかNetflixを。

 

※ちなみに原作はこちら

新装版 チャンネルはそのまま! (1) (ビッグコミックス)

新装版 チャンネルはそのまま! (1) (ビッグコミックス)

 

 

やっと順子(深田恭子)は本命を見極められた?『初めて恋をした日に読む話』9話

『初めて恋をした日に読む話』9話。

 

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ロシア転勤を言い渡されたせいで、雅志(永山絢斗)が慌てて順子(深田恭子)に告白……というかプロポーズ!

 

仲良いいとこ、よく言えば異性の親友くらいにしか思ってない順子は戸惑いを隠せない。

 

牧瀬(高梨臨)にも親友の美和(安達祐実)にも雅志を推されるけど、なんかしっくりこない。

 

一方、センター目前に順子が雅志と結婚するなんて話をゴリさん(皆川猿時)から聞いちゃったもんだから、それを確かめようと雨降る中外で順子を待ってたせいで高熱を出してしまう由利(横浜流星)。

 

雅志のことで疲れていたはずなのに、留守電に由利から待ってると連絡が入っていたのを聞いて、すっ飛んで行ってしまう順子。

そして彼と落ち合うと、熱があるとわかって家まで連れて行ってベッドまで由利を運ぶ。

 

これは講師としてやっていることなのか、それとも……?

(きっと順子自身も揺れてたはず)

 

でも、それがどっちなのかわかるのは、由利の誕生日。

センター試験が終わったあと、息抜きがてら由利の友達と一緒に、彼の自宅でサプライズパーティを決行。

そして順子は自分が帰るタイミングで、由利への誕生日プレゼントを贈る。それは受験のストレス発散のため、順子が鬼役をやるから豆をぶつけていいというもの。

 

冷静に見れば、そりゃないでしょ、なプレゼントなんだけど、由利の部屋でしかも2人きりで、何か起こるかも?なんてシチュエーションのマジックのせいで、まったく気にならなかったという不思議。

 

そして、鬼の面をかぶっている順子のお面を外して思わず告白する由利。

急接近するけど、再びお面をかぶって誤魔化す順子。

でもつい順子を抱き締めちゃう由利。

そしてつい抱き締め返す順子。

 

それで、ようやく順子は自分の気持ちに気付いたらしい。

 

遅っ!

 

けど、由利が受験決める→受験勉強する→センター受ける→2次試験と受験の盛り上がりと、由利の順子への気持ちの盛り上がり、そして、超鈍感な順子がようやく自分の気持ちに気付いて恋愛のステップを踏み始めようとするタイミングを考えたら、やっぱり今回がベストタイミングだよね。

 

で、ようやく由利を自分の生徒だから応援してたんじゃなきて、きっと好きだから応援してたことに気づいた順子は、由利の2次試験のため会場の東大に向かう。

しかし途中、交通事故にあってしまい……。

 

せっかく順子が自分の気持ちに気付いたのに!

と思ったタイミングだから、ここ最近まで「由利ルートはなぁ……」なんて思っていたはずなのに、ゆりゆりとくっついてほしいと願ってしまってる!

 

さてさて、最終回はどうなるのか。