ドラマガガ

今と昔のドラマがわかるドラマ好きのためのレビューブログ

歩いても歩いても海よりもまだ深く

『歩いても歩いても』
『海よりもまだ深く』
どっちの作品も好き。

『歩いても歩いても』は、
兄の命日の日に集まった
家族の一日を描き、
『海よりもまだ深く』は、
落ちぶれた小説家の主人公と
母、元妻、子供との関係を描く物語。

一見どちらも
家族がテーマの映画に見えるけど、
男のふがいなさと
女のしたたかさを
さり気なく、
でもいやらしく、
そして根深く
描いているのがたまらない。
だからこそ、
私はこの2作が好きなんだと
思う。

 

歩いても 歩いても

歩いても 歩いても

 

 

海よりもまだ深く
 


ちなみに
主人公の名前が良多で
阿部寛が演じているのと、
母がとし子(淑子)で
樹木希林が演じている
という共通点があった。
あと、どちらの作品も
姉の旦那役で
元・男闘呼組高橋和也
出てます。

 

ヒット・コレクション

ヒット・コレクション

 

 

ブルー・ライト・ヨコハマ

ブルー・ライト・ヨコハマ

 

 

別れの予感

別れの予感

 

 

『50回目のファーストキス』はラブコメじゃなくてラブストーリーだった。

『50回目のファーストキス』
福田雄一監督が
胸がキュンとなるような
そんなラブなストーリー
できるはずねぇ!
と思った方。
半分、正解で
半分、不正解です。

相変わらず
脱線しているシーン多め。


個人的に推したい見どころも
インスタ女子を
ディスっている
山田孝之
だったり、
映画『銀魂』の志村妙を
彷彿とさせるような
変な顔で喜ぶ
長澤まさみ
だったり、
ノースリーブから出た
二の腕の質感が気になった
ムロツヨシ
だったり、
いつもよりまともだけど
あのお馴染みの
シャッシャッシャッ
という嘘笑いをやってくれた
佐藤二朗
だったり、
福田雄一節に巻き込まれ
空気読めない筋肉バカを
はちゃめちゃに演じてる
太賀
だったりする。


でも、
瑠衣に一目惚れした大輔が
あの手、この手で
口説き落として
両想いになっても
1日しか持たない
瑠衣の記憶が壁になって……
なんていう、
王道中の王道のラブストーリー。


だからこそ今この時代に観ると
新鮮で、
キュンとなって
ホロリとする
恋愛映画に
なっちゃってるんです!

福田監督が好きな人
少女マンガが好きな人
90年代の月9
が好きだった人
2000年代 のTBS金曜22時の
ドラマが好きだった人
セカチュー(映画)のときの
長澤まさみが好きだった人
セカチュー(ドラマ)のときの
山田孝之が好きだった人
にはとてもおすすめ!

 

 

90年代からのメッセージ〜『リバーズ・エッジ』を読んで〜

 

『リバーズ・エッジ』
名作と言われて久しいのに
恥ずかしながら、
作品を読んだのは
映画を観たのがきっかけ。

主人公・ハルナは、
彼氏の観音崎がいじめる
山田くんを助けていくうちに、
山田くんの宝物である
河原の死体と片想いの彼を
知ってしまう。
その宝物を共有していた
もうひとりの人物・吉川こずえと
それが縁で知り合い
気に入られるようになる
ハルナ。
一方、山田くんを好きで好きで
たまらないカンナには、
そのハルナと山田くんとの
不思議な関係を
恋愛関係だと勘違いして、
妬みの気持ちを膨らませ……。
そして、彼氏のはずなのに
ハルナから構われないことで
苛立つ観音崎。
観音崎のはけ口になるルミ。
そして次第に
みんなの歯車が狂っていく……
というお話。

映画を観てから原作に
触れたので
ファンの人ほど
深く理解できてはいないと
思うのだけど、
私が印象に残った
テーマらしいものは
生と死。

山田くんがハルナに
死体を見せに行くシーンと
性のシーンが
交互に登場するところは
その象徴だなと思った。

そんな
生と死のはざまに彷徨う
人間のあやうさを
高校生のちょっとアウトローな
日常に投影して描いてる、
しかも今でも通用するテーマを
90年代に作品にしてるって
とにかく脱帽。

マンガのあとがきで
宮沢章夫さんが
読むたびに解釈が変わる
というような
ことを書いていたけど、
たしかに
またしばらくして
読み返したら
また新たな発見が
ありそうだなぁ。

ちなみに映画は
土居志央梨さんが大健闘。
ルミを演じている姿は
ぜひ映像で観てほしい。

 

 

中村倫也と『愚行録』

中村倫也
が本当にすごい!
と思ったのは
『愚行録』
を観たときのこと。

 

愚行録

愚行録

 

大学生のあのなんとも言えないいい加減な雰囲気を演じていたかと思えば、
その人物の30歳前後ちょっと枯れたサラリーマンな感じもすごく絶妙に表現していて、
「映画という短時間の映像であんなに時間の経過を感じる演技ができるなんて!」
と本当にビックリしたんです!

 

そのあと
「ホリデイラブ」
でドS夫役で注目されてよかった。

 

ep.1 夫の帰還

ep.1 夫の帰還

 

 

もっとブレイクしてもいい
俳優だと思ってます。

 

個人的には
「スーパーサラリーマン左江内氏」
の警官役が好きだったなぁ。

 

#1

#1

 

 

【レポート】「大テレビドラマ博覧会」に行ってきました

enpaku 早稲田大学演劇博物館 | テレビの見る夢 − 大テレビドラマ博覧会

が8/6までだったので行ってきました。

 

ちなみに入り口はこんな感じ。

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展示は写真NGでした。

 

同時開催していた「山田太一展」を先に見て、『岸辺のアルバム』とか『思い出づくり』とか『ふぞろいの林檎たち』など好きなドラマがピックアップされていたのですでにここでテンションが!

 

ふぞろいの林檎たち DVD-BOX

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岸辺のアルバム DVD-BOX

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想い出づくり DVD-BOX 全14話収録

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その後、「大テレビドラマ博覧会」のほうに行ったのですが、草創期からはじまり、黄金期、トレンディ期、カオス期(これは勝手に私が呼んでるだけです。テレビドラマが成熟してさまざまな内容のものが出てきたというイメージから)、ポスト震災期という流れで、それぞれを代表するドラマ、演出家、脚本家をピックアップ&それにちなんだ台本や映像の展示をしていました。

 

個人的には昨今注目の脚本家で坂元裕二、宮藤官九郎を挙げておいて、古沢良太を名前を挙げて取り上げないのは?展示者の好みなのかな……というのが気になりましたが概ね満足。

 

 

 

木更津キャッツアイ 5巻BOX [DVD]

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リーガル・ハイ DVD-BOX

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「山田太一展」を見ていただけに、山田太一の娘さんの名前(『最後から二番目の恋』の演出も手がけた宮本理江子さん)を『アフリカの夜』のスタッフ表記に見つけたときは「展示内共演だ!」と勝手に興奮しました(バカですいません)。

 

最後から二番目の恋 DVD-BOX

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一番考えさせられたのが、ポスト震災ドラマ期のところ。2011年から今に続く流れですが、直接震災を描かないにしても、あそこでの価値観の変化をドラマがはらんでいることを説明していて、確かにそれまでのドラマと比べると納得だし、話の中に、日常における生命の危機感とそれを乗り越えるための何かが描かれるようになってきている、その流れを実感。

 

 

あまちゃん 完全版 DVD-BOX1

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いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう DVD BOX

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「泣くな、はらちゃん」DVD-BOX

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最後にホームドラマの展示も。「日本のドラマを代表する……」というような説明がありましたが、もう『渡る世間—』以外、現代でホームドラマって見てないと思うのですが、また作られるといいな、と思いつつ、日常を描くドラマって今の時代難しいんじゃないかなという考えも浮かんできて……。

 

渡る世間は鬼ばかり パート1 DVD-BOX 1

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とにかく、テレビドラマの歴史をこうやって見ていくと、ドラマってその時代時代を反映しているものだなと改めて。ただ、(もっと深く分析すればそんなこともないとは思うのですが)展示を見る限りその時代の反映ではあっても、予言や今の課題を解決する将来に向けての提案的な要素がちょっと薄く感じたのが個人的に残念。

 

でも過去のドラマをもっと掘り起こしてほしいので、また別の切り口などでテレビドラマ博覧会、やってほしいです。

 

妄想&解説がウザいけどそれがまたいい『さぼリーマン甘太朗』

実際に行ける・作れる(作れそう)なグルメドラマに心惹かれます。『さぼリーマン甘太朗』もそう。

 

ドラマの内容を知ったとき、「『孤独のグルメ』のスイーツ版?」と思ったのですがまさにそう。ただ違うのは、主人公・甘太朗の妄想がかなり多め。

 

壇蜜を見てあんみつ食べたいという思考になるし、白蜜・黒蜜に塗れたいあまりそれを映像化したり(塗れ方は滝行)、入社したばかりの会社のメンバーをあんみつの具に見立て、仲間として自分が受け入れられる想像をしたり……。それだけでなく、お店・メニュー・具材へのうんちくも。

お目当の品が到着してからもそんなうんちく&妄想が連続するので「いいから早く食えよ!」とツッコミたくなるのですが、そのウザさも心地よいドラマです。

 

そんなちょいウザな甘太朗を演じるのが尾上松也さん。モノローグばかりの物語を清涼感と甘味のあるいい声で演出してくれます。甘太朗がスイーツへの情熱が熱すぎても憎めないのはこのおかげなのかも⁉︎

 

2話目は「かき氷」がテーマ。「かき氷」をおいしく食べたいがためにヒートテックを着込むらしいです。え?

ストーリー|木ドラ25 さぼリーマン甘太朗 公式サイト。毎週木曜 深夜1時放送! 主演:尾上松也:テレビ東京
とにかく次回も気になる。

 

ちなみに原作はこちらです。